2023年夏、日本は光線級の照射警報さながらに「酷暑」注意喚起が繰り返されるほどの暑さとなっている中、マブラヴワールド新たな物語となるソーシャルゲーム「マブラヴ ディメンションズ」のサービスが開始された。
誰か太陽という名の重重重光線級をいくらか吶喊してほしいが、そうもいかないので我々は家で涼みながらゲームでBETAを狩ることにしたい。
さて、私はソシャゲをほぼプレイしない人間のため、ゲームとしての良し悪しはハッキリ言って全くわからないのだが、生粋のアージュファンとしては「プレイすべし」なゲームだと感じており、食わず嫌いで触っていない諸兄にもぜひ、オススメしたいと思い、この文章を書くことにした。
最大のオススメ点は、「マブラヴシェアードワールドに新たなストーリー展開があること」である。
とはいえ、「新たなストーリー」とだけ言われても、これまでファンディスクやら公式薄い本やらまで含めると相当な(良い意味で)“スルーしてもなんとかなる”ストーリー数があるので説得力がないかもしれない。
今回のストーリーは、本編を感じさせるような設定で作りこまれた「新たな確率時空」の話であり、かなり重厚なものになっていることが窺える。
(つまり、例えば「オルタ世界のある期間の日常描写」とかではないということだ。)
これを書いている時点では「第二章」までしか進行することができないが、続きが気になってしょうがない。
登場人物たちのセリフの断片に、世界の謎の伏線が少しずつ張られているのだが、それが妙に絶望感が高めで、昔からの既存ファンは逆にワクワクできるようなストーリーとなっているように感じる。
なんというか、全員にずっと死亡フラグが立っているような緊張感があり、どうにもマブラヴらしい。
さて、マブラヴの話を文章で書いていくと何万字もの作文になってしまう悪い癖があるため、本日はポイントを4つだけ紹介して、終わりとしたい。
①新たな世界観の確率時空
時は2023年、どうやらBETAが近年まで地球に来なかった確率時空の話らしい。世界の人口減少量はオルタよりはまだマシで、断片的ではあるが医療技術や娯楽なども発達していることが現時点のシナリオからうかがえる。
この世界では1900年代にBETAと戦ってきたわけではないため、これまで語られた世界のような対BETA知識・技術が存在していない。
しかし、なぜか、我々プレイヤーが知っている“衛士”たちが存在している。
これは少しストーリーの話から逸れるが、このゲームには我々プレイヤーが目撃してきた「オルタ」「デイアフター」「トータルイクリプス」「シュバルツェスマーケン」「ユーロフロント」…など、バラバラの時代・確率時空から、キャラクターが総登場している。(ちなみにかなり細かいキャラまでいる。)
なお、「図鑑」機能で衛士や戦術機を見ることができてこれも嬉しい。
どうして2023年の世界に衛士がいるのか?
なおネタバレになるので伏せるが、「単純にキャラ集めて出しました」というゲームではなく、彼らの存在理由が、このストーリーの秘密に大きく関わっているのだ。
本編で夕呼が武を並行世界間移動をさせたように、純夏が中身だけ生きていたように、衛士たちの記憶?存在?が因果律量子論的なアレやコレでコントロールされているのかもしれない。
今後のストーリー展開で、明かされていくことだろう。
②戦術機設定の作りこみ
これまでにあったソーシャルゲームと違って、戦術機のイラストにはかなり力が入っている。そして、今回は完全新規の時空のため、戦術機の生い立ちなどがアンリミ世界やオルタ世界とどうやら違うようなのだ。
そういった戦術機ごとの設定や歴史について、古いファンとしては、ここの新たな設定がめちゃくちゃ気になる。
戦術機の無かった世界なのに「ウォードッグ」や「黒の宣告」のマーキングが施されていたりする機体があるのでそれも謎である。(シンプルにファンサービスかもしれないが)
各戦術機に「機体解説」があるのだが、この世界での新設定に加えて、まだ黒塗りで未公開になっている情報があるのだ。
③本編を回想できる「確率時空」システム
なんと、このゲーム内でいつでも本編の再編集版を見ることができる。
この文章を見ているような人はもう既に読みすぎている可能性も高いが、アニメから入ってきてくれた方が本編に触れるとても良い機会になっている。
いまはまだオルタまでしか見られないが、「帝都燃ゆ」の追加が確定していたりと、外伝まで拡大されていきそうだ。
④“アージュ”を思い出させるバカ100%のサブシナリオ
…いや、もっと良いポイントはたくさんあるのだが、私はあえてこれを挙げる。
書いている時点で、本編シナリオとは別に、サブイベントが実施されている。
これがどうにも「オルタードフェイブル」やファンディスクを髣髴とさせるような、昔のバカらしさを感じさせるシナリオになっている。
まず、オルソン大尉がPCゲームの見た目で登場する。どういうことなの…。(これを面白いと感じなかったらこのポイントは見なかったことにしてほしい!)
オルソン大尉が登場する時点で色々察しがつくのだが、このゲームのメインシナリオを完全に忘れ去ったかのような傍若無人っぷり。
これは旧来スタッフからしたら的外れな感想かもしれないが、シナリオやセリフ回しもなんだかすごく“懐かしい”。
私はこのシナリオが始まった時、「ビーチバレーしそうなシナリオ運びだな…」と笑っていたら、本当にビーチバレーもしていた。
なお、地獄のミニゲームが実装されているわけではないのでご安心を。
という感じで、マブラヴといえば“絶望的な世界観”が特徴ではあるが、このシナリオについては“アージュらしさ”が感じられて私は少し嬉しかった。
あとジークリンデ中尉やキルケの水着姿が拝めるのもイイし、グレーテルとキルケが仲良く喧嘩してるのも涙が出そうになる。
まとめ
というあたりで、今回は止めておく。
とにかく伝えたいのは、ソーシャルゲームという旧来と違う形を取っているが、これはマブラヴワールドの「新作」と言って何もおかしくないと思う。
個人的には紙媒体で出てくれたほうが嬉しいがそれはお金にならないので、今後のマブラヴのために幾分かでもお金を払っていきたい所存である。
ではでは。